景観形成指針の基本的なコンセプトとして考えたのは、 「そもそも、 都市とか建築は場所に応じて、 場所の中から発生してくるものなのだ」ということです。 例えば3層構造にするのか、 屋根をかけるのか、 アースカラーにするべきなのかなど、 そういったことは基本的には場所との応答とか、 生活の中から出てくるものです。 たぶん2層構成がふさわしいまちもあるだろうし、 多層構造がふさわしいまちもある。 だから、 景観形成指針はそういうことを決めるものではおそらくないのではないかと考えました。
だから、 ここでいう景観はそういう意味ではないのではないか。 そうすると、 一体何を共有の理念にして、 取り決めていけるのかが問題です。 答えはまだ分からないのですが、 例えば、 個人の人生と共同の人生が一緒に共存して、 高めあって引き立てあっていけるとか、 そういった生活とか人のドラマが最終の目標になるのではないかと思いました。 ようするに、 あくまでも生活空間の発現が、 結果として良好な景観を生むんだという視点にたったのです。
住棟を分割してできるだけ豊かな空地を作るだとか、 山と海とかせっかく持っている環境を活かすだとか、 箱に基本的になっていくということがあるにしても、 同じ箱をどちらに向けておくか、 どちら側に隙間をとるのかとか、 そういう空間の仕組みみたいなものが、 数少ないできることのうちで、 しかし、 生活の舞台づくりとしては重要なことではないかと考えたわけです。
それでは、 この指針と南芦屋浜団地の説明をスライドを使いながらさせていただきます。
景観形成指針について
景観形成指針のコンセプト
私の方から、 景観形成指針と南芦屋浜団地の内容について説明させていただきます。