一つめは暮らしのワークショップについてです。 最終的に仮設住宅に最後まで残る人達のことはどうなるかという問題があります。 あと半年で入居できる人、 残る人に分かれる事態になります。 自分たちでどうするかを決めない限りは、 仮設住宅での恐ろしい戦いは終結しないでしょう。 そのためには、 住んでいる人達が自分たちでどうするかを相談する機会がいる。 ですから、 私はこれを「究極のワークショップ」と呼んでいるのですが、 その人達の意見が引き出せないようではプロジェクトをやめてしまえ…とは言いませんが、 そうなった時のためにワークショップ第一人者である東京の伊藤雅春さん(大久手計画工房)に声をかけました。 「そういう事態が必ず来るから、 その時に備えて用意をしておいたらどうですか」と『通告』はしておきました。 ですから、 江川さんからお話があって内容を組み立てていく時、 私の頭には仮設住宅の人達と暮らしのワークショップをしようという計画があったので、 いざというときは伊藤雅春さんにお願いする気持ちで引き受けました。 実際、 伊藤さんが、 今回のワークショップの牽引役をずっとしてくださることになりました。
言い換えれば、 強力なパワーの持ち主二人が私の念頭にあったから、 この仕事を引き受けることもできたわけです。
一言加えれば、 この暮らしのワークショップとアートの両輪が、 ハードはあっても住む人が見えない公営住宅にいくばくかの命を吹き込むことができるのではないかと思って、 お手伝いをいたしました。 詳しいことは、 大阪ガスが編集した『ハウジング・トレンド』129号に上手に整理して掲載されていますので、 読んでいただければと思います。