南芦屋浜
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進める上での前提条件


ワークショップ

改行マークその時、 ふたつの前提条件を示しました。

改行マーク一つめは暮らしのワークショップについてです。 最終的に仮設住宅に最後まで残る人達のことはどうなるかという問題があります。 あと半年で入居できる人、 残る人に分かれる事態になります。 自分たちでどうするかを決めない限りは、 仮設住宅での恐ろしい戦いは終結しないでしょう。 そのためには、 住んでいる人達が自分たちでどうするかを相談する機会がいる。 ですから、 私はこれを「究極のワークショップ」と呼んでいるのですが、 その人達の意見が引き出せないようではプロジェクトをやめてしまえ…とは言いませんが、 そうなった時のためにワークショップ第一人者である東京の伊藤雅春さん(大久手計画工房)に声をかけました。 「そういう事態が必ず来るから、 その時に備えて用意をしておいたらどうですか」と『通告』はしておきました。 ですから、 江川さんからお話があって内容を組み立てていく時、 私の頭には仮設住宅の人達と暮らしのワークショップをしようという計画があったので、 いざというときは伊藤雅春さんにお願いする気持ちで引き受けました。 実際、 伊藤さんが、 今回のワークショップの牽引役をずっとしてくださることになりました。


バブルチックなアートはやらない

改行マーク二つめは、 アートについてです。 先ほど「興味がない」と言いましたが、 この手のタイプのアート、 つまり東京の団地にあるようなバブルチックなアートのことですが、 それを見ていてパブリックアートはあまりにもアーティストが表に出ているという印象を感じています。 そういうものが町中にあることは全く同意できない。 その点については橋本敏子さんと以前から意見が一致していたので、 コミュニティとアートの関わりの中で存在するアートについては、 橋本さんにお願いすれば何とかしてくれるだろうということで、 一任することにしました。 また、 橋本さんは横からゴチャゴチャ言わない方がちゃんと仕事をしてくれる人ではないかとも思っていましたので、 アートについては100%お願いしました。

改行マーク言い換えれば、 強力なパワーの持ち主二人が私の念頭にあったから、 この仕事を引き受けることもできたわけです。

改行マーク一言加えれば、 この暮らしのワークショップとアートの両輪が、 ハードはあっても住む人が見えない公営住宅にいくばくかの命を吹き込むことができるのではないかと思って、 お手伝いをいたしました。 詳しいことは、 大阪ガスが編集した『ハウジング・トレンド』129号に上手に整理して掲載されていますので、 読んでいただければと思います。

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