もう一つの方ですけれども、 私もずっとこのプロジェクトの隠れた大きな課題であると思っています。 というのは、 管理の場ということですが、 そこのところをどう変えていくのかということです。
住宅あるいはまちというものが管理の対象であるというところから物事をスタートする限り、 本当に貧しい、 不毛なものでしかありません。 しかし、 ここにアートを入れても、 ある側面管理の対象です。 アートという評価だけでものを捉えているわけではなくて、 安全性の問題ですとか、 耐久性の問題とか、 あるいは、 お金をかけられないということについては、 一つの前提条件ということです。 それについては特に大きく反論するつもりはありませんが、 そういうものを満たしつつ、 なおかつ、 アートのもつ意味というものを、 同じような意味あいで理解し、 捉えていくという共通のテーブルと時間が本当に少なかったということが、 今回の残念な点です。
これは、 今回のみならず、 今後こういった問題を考えるときには、 考え方の違いは違いとして、 問題は問題として、 どこに何があって、 何を目指してやるのかということを、 議論する必要があると思っております。
したがって、 今回のアートの導入がごまかすためのものでは決してなくて、 むしろ、 今おっしゃったような問題が今回のようなことをやることによってより明らかになり、 制度をより今日的なものにするための一つのきっかけになって欲しいと思っています。 具体的な、 問題を提起する場になって欲しいと思っています。
アートはごまかしではないのか
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