また特に戸建住宅等に多いのですが、 外構未施工のまま、 外構が放ったらかしということですので、 いつまで経ってもなかなか住まいらしい雰囲気がでてこないということがあります。
また修復・復元が困難です。 これは工務店の技術の問題、 あるいは材料とそのコストの問題です。 伝統的な建物とか町並みに対しては技術的な困難が相当あります。
三つ目に、 これはかなり切実ですが、 震災で壊れてほっとしたといった所有者の気持ちがあることです。
永らく古い建物を維持管理する中で、 所有者自身が、 現在の住まいの様式にあわないとか、 手入れが大変ということで、 保全や復旧に消極的になっていて、 今回の震災を機会に安全な鉄筋にしようとか、 現代的な住まいに変えようという場合があります。
これは全国的なネットワークとか技術開発能力があることもプレハブのメリットだったのでしょうが、 特にこのどたばたの中では、 明朗会計であるということが重要な要素だったとユーザーの方から聞いてます。
あと、 プレハブの外観については木質系メーカーも、 工務店みたいな所も、 比較的安定して部材供給できるということで、 工業化部材をよく使っています。
また外構を削って建築面積を拡大させ、 敷際が無機質になったという問題があります。
なお外構部分についてはプレハブメーカーもプレハブ化されておらず、 地域の造園事務所とか庭師を使うということです。 外構の施工については機械化・組織化されていないというのが今回の調査でわかりました。
住宅への関心が中心で、 周辺への意識や関心が乏しい。 自動車がおけるとか、 広い家がいいとか、 南面のリビングが欲しいとかいったことに、 住まいの優先度が変わってきた。 まわりの環境の中で、 昔風の町並みを継続していく、 あるいは阪神間ですとモダンな住宅文化というものを継続していくための手法とか、 材料がなかなか用意されていない。 それらが合わさって、 一気にでてきたのが震災のあとの景観の特長だと考えています。
問題点の要素別整理
一時的・過渡的な問題(図2-1)
伝統的建築物に関わる問題(図2-2)
再建住宅の問題点と特徴(図2-3)
問題発生のシステム
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