図2 屋上植栽測定断面 |
図3 夏期と冬期における断面温度分布 |
それによると、 夏場は土壌の表面温度は気温に合わせてかなり動いています。 ところが、 30cm以上深くなると1日の温度変化は全くありませんでした。 ただ天井裏は室内温度に合わせて若干変化しているようです。 同じような実験を冬期にも行ったのですが、 やはり土壌下30cmあたりになると1日の温度変化はありません。
これは言い換えると、 非常に高い断熱効果があるということで、 冬場は暖かくていいけれど夏場は暑くてつらいということになり、 入居者アンケートでも正直に表れました。 例えば、 「うっかりブラインドを開けて外出して帰ってみると、 冷房しても冷えなくて大変でした」という話があります。 夏場はちょっと蓄熱しすぎるのかなと思っています。
図4(a) 屋上植栽構造の種類 |
図4(b) 室内気候が変動した場合の天井表面温度(屋上植栽構造別) |
シミュレーションの結果では、 屋上に断熱効果があると夜間は天井面から室内側に放熱がありますが、 昼間は天井面の方が低温で、 屋上への日射の影響が少なくなります。 人工土壌が8cm、 コンクリートが24cmの場合には、 最も空調負荷にとって有利な結果になりました。
以上の2点が、 物理的な居住実験の結果です。