屋上については、 データ的にはだいたい30cmぐらい人工地盤を入れると、 ほとんど影響がないということをその当時につかんでいましたので、 これも屋上についてはいけるだろうと思っておりました。 しかし、 全体のクライメットコントロールは、 大きなテーマではなかったことは確かです。
加茂:
ところが、 構造躯体部分のコンクリートは、 確かに蓄熱をします。 ただ、 要所、 要所で植栽をしているので、 その蒸散効果と日射の遮蔽効果があったかと思います。
ここで、 もう一度写真を少し見ていただきたいと思います。
微気象のコントロールについて
クライメットコントロールですが、 植物によるものは、 301号室で実験をしました。 西側に植物を持ってきて、 狭いところもツタで遮蔽して、 西日の悪影響を減らしただとか、 結構やっています。
クライメットコントロールについてですが、 外壁に蓄熱するものを露出させないということは、 建築躯体そのものとか、 外壁構造そのものには、 あまりなかったんじゃないかと思います。 ただ、 一ついえることは、 外壁がシステムズビルディングといって、 ステンレスパネルがついています。 これが熱しやすく冷めやすかったというのは事実です。 ですから、 昼間にカッと焼けるのですが、 気温が下がるとさっと放熱するので、 蓄熱するということはあまりありませんでした。 そういう点ではよかったと思います。
図12 NEXT21の西側壁面の放射温度 |
NEXT21の場合ですが、 先ほど301号室では日射を遮蔽するためにトレリスを設計したというお話が、 江木さんからありましたが、 ツタをからませるためにわざわざ作ったものです。 そうしますと、 ステンレスパネルの方は少し焼けているのですが、 トレリスの部分は全く温度が違うという効果があります。
図13 301住戸植栽スクリーンの放射温度 |
ですから、 NEXT21の場合は、 建築構造としてのクライメットコントロールは特にやっていないというお答えになるのですが、 ステンレスパネルが意外とよかったということと、 トレリスなんかを作った部分はそれなりの効果があったということがいえるかと思います。