海外都市の密集市街地に学ぶ
左三角
前に 上三角目次へ 三角印次へ


カンプンの成立過程

エリサ:

改行マークインドネシアから留学していますエリサです。 今日はインドネシアのカンプンとKIPについてお話しさせていただきます(図1〜4)。

画像elo001 画像elo002 画像elo003 画像elo004
図1 レジュメ1 図2 レジュメ2 図3 レジュメ3 図4 レジュメ4
改行マークカンプンはインドネシアの都市、 あるいは街の中で大きな役割をはたしています。

改行マークそのカンプンは、 オランダの植民地時代に既に成立していたものです。

画像elo005
図5 スマトラ島のメダンの土地利用図(1950年)
改行マーク図5は、 スマトラ島のメダンの1950年の地図です。 メダンはオランダ人が作った植民都市ですから、 近代的な都市計画概念で作られているのですが、 実際の街は、 民族によって住み分けがなされています。 例えば、 左の方の川に挟まれた地区はオランダ人の居住区となっています。 線路を挟んで反対側の地区は中国系の居住区です。 よく見ると、 マレー系のカンプンとか、 ミナンカバゥのカンプンとか、 あちこちにカンプンができています。

改行マークではなぜこのようなカンプンが生まれてきたのかということですが、 カンプンに住んでいる人々は、 田舎から都会にでてきた人です。 何故出てきたかには色々な理由がありますが、 大きく、 農村では仕事がないという経済的問題、 移住を容易にする社会的な問題と、 都市にでれば労働のチャンスがあるということがあげられます。

改行マークインドネシアには色々な民族がいて、 移住意向の高い民族と少ない民族がいます。 移住意向の高い民族には、 いつもどこかに移住するというマランタウという伝統的な習慣があります。

改行マーク一方、 ジャワ人などは移住意向がないか、 少ない民族です。 ジャワ人の昔からの考え方として、 「食べることができても、 食べることができなくても、 いつもいっしょに暮らす」というものがあります。 できるだけ一緒に暮らします。

改行マークにもかかわらずジャワの人たちもどうして移住するのかというと、 干ばつとか、 経済の問題がひどく、 しょうがなく移住しなくてはならないという場合と、 街の中に既に親戚か知り合いの人がいるから移住するという2つのパターンがあります。 後者にはカンプンの在りようが深く関わっていると思います。

左三角前に 上三角目次へ 三角印次へ


このページへのご意見は前田裕資

(C) by 都市環境デザイン会議関西ブロック JUDI Kansai

JUDIホームページへ

学芸出版社ホームページへ