大阪大学の小浦です。 ヨーロッパ都市の密集地区の改善について、 お話しします。
ドイツのBプラン、 フランスのZ. A. C.(ザック)という事業制度、 イギリスの計画許可といったヨーロッパの地区レベルの計画による再開発の状況と、 プランニングの実際の進め方を1992年に視察に行きました。 今日はその中で、 パリの東部地区のアマンディエという住環境改善地区の事例と、 ドイツ・ハノーバー市の住環境改善地区をご紹介しながら、 考えていきたいと思います。
先ほどのエリサさんのお話の中では、 haあたり200人以上の密度のカンプンが、 世界銀行の改善活動の対象とされていましたが、 ヨーロッパの歴史的都心部もだいたいそれぐらいの密度を持っています。 パリ市域は東京の山手線の内側ぐらいの大きさですが、 人口密度が205人/ha(1990年)ぐらいです。 これはインドネシアのカンプン改善プログラム(KIP)の対象となる密度ということのようです。
他の都市を見ますと、 ロンドンの都心6区でちょうど同じぐらいの大きさをとると85人/haぐらい、 ニューヨーク・マンハッタンで248人/haぐらい、 東京の山手線の内側で125人/ha、 大阪の環状線の内側で100人/haちょっといった密度になっています。 日本の都市と比べて、 ヨーロッパの歴史的な都心は、 高密度居住であることが分かります。
はじめに
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