パリ、 アマンディエ地区の改善活動
用途別容積規制によって実現された
パリの高密度都心居住
図1 パリの用途地域 [図(1992年) |
これはどういう意味かというと、 例えば1,000m2の土地があったとして、 そこに500m2のオフィスを作ったとすると、 オフィスで半分の容積を使っていますから、 残りに住居を作ろうとすると、 住居だけだと1,000m2で300%ですから3,000m2までいけるところが、 残りの500m2の300%ですから1,500m2しか使えず全体では2000m2となるという、 そういう組立になっています。
基本的に住居を作ることが一番容積を使える仕組みとなっています。 土地利用計画が、 まちなかでは住居を残していくということを基本としています。
もう一つ前の時期の用途別容積では、 ちょうどオフィス床の需要圧力が非常に強い時でしたので、 オフィス用途の容積がこれより緩和されていました。 それに対して、 街はやっぱり住まなければいけないということになって、 変更されたのがこの用途別容積です。
これを見ていただく限り、 パリじゅうで一番高い容積率が350%ですから、 いかに、 日本の600%や800%という容積率がかなり高い指定であることが分かっていただけるかと思います。
要するに、 ちゃんとした基盤の中で、 都市の中に住むということを考えていけば、 350%で非常に高密度な都心居住が実現できるということを証明しているのがパリの街です。
現在は、 産業の構造が変わっていく中で、 逆にインナーエリア問題が発生し、 歴史的都心は非常に密度の低い状態になっています。 ですから、 ロンドンの場合には、 用途を混在させながら住宅を維持する、 都心に居住を維持する方針が示されています。
それから、 密集市街地は、 単に密度の問題だけで捉えられるのかということですが、 色々見ていきますと、 もう一つは用途混在、 職住近接ということがあるのではないかと思います。
結局、 都心部の密集市街地の課題地区は、 インナーエリアとスプロール地区という形で現れてきているのではないかと思います。 それがパリの場合には、 いわゆる東部地区と呼ばれている地区になっています。
ロンドンの場合
これに対して、 ロンドンは産業革命が早くに起こりましたから、 歴史的都心の中に工場や生産基盤が入ってきて、 それに対して地方からの労働力が集中してきました。 ですから、 都市から人口と生産機能、 オフィス機能を分散させるという政策を採ってきました。
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