それでは、 計画的な開発が常に先ほどのスライドように明解な形になるのかというと、 必ずしもそうではありません。 先ほど江川さんもおっしゃられていましたが、 いかに非整形の空間を作るかということで、 がんばっておられる場合もあります。
左は、 東京の町田市にある埴の丘という、 かなり急な傾斜地にある一種のコーポラティブ団地です。 ここではハウジングメーカーのミサワのユニットをそのまま使っていますので、 建物自体は割合とそろってできています。
右は、 住都公団の西宮名塩ニュータウンの西山五番街で、 ここでも意図的に複雑な空間を作ろうとしています。 建築家の遠藤剛生さんの仕事です。
こういった街がこれまでの自己生成的な街と違うのは、 まず全体的な意図として複雑なものを作っていこうという意図があることです。 ここに住む人がこうありたいから屋根はこの角度になるんだとか、 この大きさになるんだということではありません。