ただ、 そういうものを都市に取り入れていくとすると、 博物館的な豊かな領域を、 連続的にたくさんちりばめていって、 それをネットワークしてつなげていくということが考えられます。 それらの領域は、 先ずきわめて安心できる空間であるということです。 安心のレベル・性格も様々ありうるでしょうが、 いずれにしても人間はそうたくさんの領域を一度に歩くことはないわけです。 せいぜい2つ、 3つの領域への説明があれば、 割と変化もあり安心できる連続した領域として、 その都市誘導を行っていける余地があるのではないかと思います。
たとえばイタリアの小都市は、 迷路性はあるけれども、 不安領域の小さい都市です。 そういう都市では、 日本の博物館のように「次」、 「次」と矢つぎばやに次室への誘導をやるよりも、 矢印を一部やめてしまって、 何となく選択し(時には一部屋ぐらいとばしてもいいから)自由に回遊しながら行けるような空間があって、 それが2つ、 3つとつながっている方がよいと思います。 サインの作り方が都市の作り方にもつながってくると言えると思います。
2. 都市づくりと都市案内
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