材野先生のコメントに対して、 お二人の先生方、 いかがでしょうか。
田端:
材野先生のコメントに対するということではなくて、 都市案内ということの広がりについて考えてみたいと思います。
橋爪先生から、 色々な話をいただいたのですが、 都市を移動したりどこかへ行くときに「分かりやすく移動する」あるいは「おもしろく歩く」というような、 仕掛けの話として私は聞かせていただきました。 つまり、 都市を楽しむための方法が、 こういった議論の中から広がっていくのではないかという気がします。
それと関係しますが、 ガイドブックや案内図をどういうふうに作っていくのかということがあります。 日本のガイドブックには、 自然地の紹介から都市の紹介まで十派一絡げにやっているところがありますので、 確かにもう少し専門化していく必要があるのではないかと感じます。
また橋爪先生が紹介されたミシュランのガイドブックは、 都市ごとの詳細なガイドブックで、 非常にレベルの高いものになっています。 しかし、 そこにはお店の紹介はありません。 日本人は名所に行ったついでに店によるというように、 名所とお店をセットにして観光していますから、 日本のガイドブックもそれに従って構成されているのです。
そういうふうに考えると、 ガイドブックをつくるのは結構難しいと思います。
新しい名所ができてくることもありますが、 名所そのものはあまり動きません。 それに付随してくる店の方は、 どんどん変わっていきます。 そうすると、 先ほどのお話のように、 それをどんどん更新していかなくてはいけなくなります。
ですから、 日本のガイドブックは、 ミシュランみたいに安定しません。 それは、 日本の都市利用や観光行動とつながっているのです。 都市がどんどん変わっていくのと同時に、 ガイドブックもどんどん変わっていくということです。
都市の使われ方を映す都市案内
田端 修
小浦:
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