先ほどの案内のお話を色々聞いていますと、 最近は、 案内がどんどんカタログ化してきているのではないかと思います。 カタログでどういう店やまちがいいか選んで、 それが索引になっていて、 あとは地図を見ればいいというようになっています。 施設やお店の分布をいちいち書いたマップ型の案内は、 どんどんなくなっているのではないかという気がします。
私が言っているマップは、 カタログの索引としてお店を並べたものではありません。 まちそのものを表現したものでなければならないと思っています。
駅に降り立ったときに、 あまりにもたくさんの施設がどこにある、 どこにあると書いてあるのは、 非常に煩わしい。 例えば駅の東北の方のゾーンはこういうゾーンだと書いてあるだけで、 いちいちそこに何があると書いてなくてもいいと思います。 この筋を曲がって、 この通りを行くというのではなくて、 およそその方向に行けば、 間違いなくたどり着けるわけです。
普通、 建築の中に入るとトイレはあの辺にあるなということが分かります。 同じように、 あるまちに降り立つと、 あっちが盛り場だなということがだいたい分かるのですが、 最近は再開発が進んで分からなくなってきています。 どこが盛り場か全然見当がつかない、 そういうまちが増えてきています。
それでも商業集積がどこにあるかだけ書いてあれば、 そのまちの雰囲気が分かります。 「夜になったら、 あそこら辺に行ったらいいんだな」ということが分かって、 あとは、 10分でも20分でも歩き回ればそれで探せるわけです。
田端先生がおっしゃっていた江戸時代のものは、 お店がだいたいこの辺にあるということしか分からないわけです。 そういう方法の方が、 更新も簡単にできます。 これからはそういう方向に案内がなっていって欲しいと思っています。
まち歩きにも初段とか、 三段とか、 あいつは黒帯だというのがあるのではないかと思います。 だから、 まち歩きが好きな人のための案内があってもいいかと思います。
それに関連したことを思い出しました。 今あるかどうか分かりませんが、 昔、 博多の中州に、 いろんな店の写真がはってある電光掲示板があって、 その前におっさんが一人立っているわけです。 で、 おまえはどんな店に行きたいのかと聞いてきて、 こんな店がいいというと、 絵を出してきてじゃああそこに行けと言うわけです。 これはカタログ的案内の古い例だと思いますが、 そういうスタイルの案内というのもこれから増えていって欲しいと思います。
町歩きのための案内
鳴海邦碩
カタログ化している案内
私も、 案内というものに対するコメントを言わせていただきます。
まちの構造を伝える案内が欲しい
例えば、 どこかの駅に降り立ったら、 このまわりのまちはこんなまちですというような案内があって、 お店の名前なんか一つも書いてないというものもあってもいいと思います。
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