さて、 こういう状況の地区を現地の工場等を撤去して、 3年後には住宅を建て終え入居できる状態まで整備を完了させなければなりません。 住宅建設側は、 建築工事に2年は必要ですから最初の1年で実施設計と工事発注までを完了する必要があります。 実施設計を行おうとすると街区の確定図や地盤の高さが確定していないとできません。 ところが、 現地は先ほどのような状況ですから街区確定図の作成どころか、 現地の測量すらままならない状況です。 こうなると割り切りの世界です。 住宅建設部隊には敷地の平面図は座標値抜きの図面で、 地盤の高さも1mぐらいは後で施工しながら調整する、 ぐらいの覚悟で設計を進めてもらうしかありません。 しかし、 このことは、 逆に言えば、 基盤整備と上物建設を同時に行うことをメリットと考え、 両者が同時に共同して設計を進め、 相互に調整しながら設計施工を行うという同時施工のメリットをふるに生かすことになるとも言えます。 また、 両方の事業を公団がまとめて行っていたこも両者の調整をやりやすくしていたこととなっていました。
ところで、 事業の仕組みや資金計画、 今申し上げたような作業スケジュールといった調整もさることながら問題はどのような計画、 どのような設計にするかということです。
そのためには、 当然事業をコーディネートする我々の側も計画のイメージを持つ必要がありますが、 我々だけではどうしようもありません。 計画や設計に関する力のある人たちに早く力を発揮していただくことが重要となります。
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