開発にはたくさんのリソースがあります。 文化もリソースの一つですが、 プロジェクトの目的は一つではなく、 幾つかのことを考えていかなければなりません。
建物をつくる時にも、 単に奇麗に見えるだけではなく、 活動がうまく出来ることや、 利益が得られることも必要です。 広いコンテキストの中で、 外に向かった目的がプロジェクトには必要なのです。
これらについて私は幾つかのことを考えています。
ひとつは現在と未来のために使うということです。
ジョグジャカルタのメインストリートであるマリオボロ通りについて言えば、 一つの建物を保存したり、 つくる時に、 周りとの関係を考えなければならないのです。 さらにもっと広い目的も必要です。
またそこには活動があり、 目的があるのです。
対象(Object)をそのまま保存するためには、 経済的な意味を見出すことです。
ジョグジャカルタにおける都市の歴史的遺産のポテンシャル
ガジャマダ大学
アディ(Ir. Adi Utomo Hatmoko, M.Arch)
保存と開発
私は保存と開発の関係について述べたいと思います。 保存は開発と関係しなければだめだというのが私の考え方です。
図1 マリオボロ・プロジェクト |
ここでは非中心化(de-centerization)の手法を使っています。 新しい中心をマリオボロから離れた箇所につくっています。 交通はマリオボロの外側に移動させて、 マリオボロはパブリックスペースにしようというものです。 また裏側の建物と繋ぐために、 新しいノードをつくり、 そこからお店を通ってマリオボロの裏側にも出られるようにしています。
図2 カタンダン・プロジェクト |
他の箇所ではペデストリアンデッキをつくって、 マリオボロ通りとパーキングを繋げる提案をしました。
これらは学生の提案にすぎませんが、 重要な事は開発と保存を一緒に考えるという姿勢を学生たちに持たせていることです。 学生に実際の事例を教え、 彼らが卒業してからの実践において生かしてゆくことを期待しています。