ヨヨク(Ir. T. Yoyok WS, M.Eng., Ph.D):
三人の先生方には共通の問題意識があったと思います。 またこれからどうすれば良いかというアイデアも出されました。
シータ先生は建物だけではなく、 空間の使われ方などアーバンスペース・ヘリテージの保存の重要性を言われました。
レビアント先生は郊外にある文化財に注目し、 それがコミュニティのアイデンティティとなることで保存も可能になるという視点を打ち出されました。
アディ先生は保存だけではなく開発も一緒にしなければならないという考えを提起されました。 保存から始め、 開発し、 さらにどう使っていくかというシーケンスが重要だと指摘されました。
ではこれから質疑応答に移りたいと思います。
Mr.Suyata:
シータ先生には住民参加のプロセスには何が必要と考えておられるのかを、 アディ先生にはマリオボロの開発について、 より具体的な解説を希望します。 また三人の先生方には共通の問題意識があると言われましたが、 具体的に示していただければと思います。
井口勝文:
シータ先生はジョグジャカルタのまちのつくり方について説明くださいましたが、 取り上げられた1755年よりも前には、 どのようになっていたのでしょうか。 私は飛行機の上から畑とか田んぼとか村を見たのですが、 村は小さく固まって集落をつくっていました。 そういうものが1755年以前にすでにオリジナルとしてあったのではないでしょうか。
昨日コダクテを歩きましたが、 通りが狭く、 村のつくり方とは違うと感じました。 ゲートを入って住宅の中に入ると庭がありましたが、 やはり村の作り方とは違うと感じました。
ジョグジャカルタのまちのつくられ方は、 1755年以降ヨーロッパスタイルになっていったのかと思いますが、 それ以前の村のつくり方の影響があるのかないのか、 教えていただきたいと思います。
レビアント先生が言われたセンターがあって、 その周りがアメーバ状に広がるまちは、 日本のまちと良く似ています。 村の住み方とヨーロッパ風の住み方が混じっている点も良く似ています。 建物と緑がミックスされて街中にある場合、 どうしても緑が犠牲になりますが、 その点も日本と良く似ていると思いました。
そこで質問ですが、 ジョグジャカルタには日本よりもずっと緑が多く育つスペースと力があると感じましたが、 ジョグジャカルタの都市デザインにおける緑の位置づけはどうなっているのでしょうか。 建築と同じぐらい大事なのではないかと私は思うのですが。
斎藤彰良:
アディ先生のペーバーでユニークだったのは「オプティマイゼーション(Optimization)」という言葉です。 そこに住んでいる人たちがその言葉に何を感じ、 期待されているのかを知りたいと思います。 日本でも住民参加が大事だという考えが広まっていますが、 日本で考えなければいけない課題への回答の一つが「オプティマイゼーション」に含まれているのではないかと感じますので、 是非具体的に説明いただければと思います。
Mr. Haryna:
保存に必要なことは、 (1)コンセプト、 (2)住民参加、 (3)政府の支援だと思います。
(1)は学者が担っていますが、 (2)、 (3)はとても難しいと感じています。 住民は営利があれば参加すると思います。 住民参加が経済的に成立しうるのか教えていただきたいと思います。
討論
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