新アテネ憲章1998について
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第2部

協議事項の遂行における都市計画の役割

改行マーク第2部では、 第1部で述べられた様々な課題に挑戦していく上で、 都市計画の役割を認識しようという目的で書かれています。

改行マークその認識において、 2つの原則が指摘されています。

  • 都市開発の原則は次の2つに分けられる。
      1)過去において発展してきた、 公正かつ普遍的な原則
      2)21世紀に向けて提案される新たな望ましい原則
 
改行マーク都市は過去に様々な問題を生み出しましたが、 それが全て間違っていたとするのも無意味なことで、 変わらない原則があり、 加えて21世紀のために新しい原則の提案もしなければならない。 両立させることをまず認識したいとしています。

改行マークでは、 1)の変わらない基本的な原則とは何か。 それについて次のようなことが〈都市計画のための基本原則〉に書かれています。

  • 自動車やニューテクノロジーが発展したものの、 集中は流行遅れの概念とはなっていない。 集中化のプロセスが突然終わりを告げる理由がない。
    • 多くの要因が、 単独の中心をもつコミュニティよりも、 多中心地をもった都市の将来を指し示している。
 
改行マークあまり議論はされていないのですが、 一極集中ではなくて、 多極的ではあるが集中はあるだろうと言うことだと思います。 そして多極的に集中が起こる場合の都市計画には、 次のようなことが必要だと指摘しています。

  • 政治的であれ経済的であれ、 軽率な行動や決定は利益をもたらすことが疑わしい。 同様に、 行動する上での性急さ、 あるいは必要な技術的裏付けがないままに行われる徹底的なプロジェクト、 あるいは地域の環境や参加するコミュニティの容量に対する貧しい認識は、 しばしば停滞や失敗を招く。
  • 都市計画は、 第一に公共の利益への奉仕に関連する。 このことは過小評価されてはならないのだが、 しばしば誤解されている。 加えて、 計画は、 しばしば利害の衝突の解決や異なる派閥(faction)や団体(group)間の調停に関わる。
  • さまざまな俳優を、 彼ら自身の利害解決の優先序列をもちながら、 都市の舞台に登らせることは、 都市計画のための本質的な必要条件であり続けるだろう。
 
改行マークここで「都市計画が公共の利益への奉仕に関連するものだが、 しばしば誤解される」と述べられていますが、 それを基本認識にしようとしています。 また、 計画が利害の衝突の調停に関わることも免れないことだとしています。 まあ、 都市計画はいつもごちゃごちゃして面倒くさいものだと認識せよということですね。 「様々な俳優」とは、 都市計画で影響を受ける様々な人たちやグループのことで、 彼らを舞台に乗せることから都市計画が始まる、 と指摘しています。


21世紀への新たな望ましい原則

  • 緑地を利用する前に褐色の土地を利用することを保証することが一般的に約束されなければならないと同時に、 オープンスペースのネットワークを犠牲にしてはならない。 都市やその周辺地域の緑地は、 慎重に扱われる必要がある。
 
改行マーク土地利用上のフレームを与えることだと思います。


総合

  • より多くのそしてより質の高い都市計画家の訓練、 必要な数の都市計画家を供給する教育システムが準備されなければならない。
  • 都市計画は、 都市社会の内部で作用するしばしば対立する力のまさに中心において、 多様な方法で仕事をする。
 
改行マーク最初に新アテネ憲章はプランナーの宣言だと申し上げましたが、 それがここにも現れているようです。 職能的な役割とビジョンがあちこちにちりばめられていると思います。

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