新アテネ憲章1998について
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まとめ

住宅・暮らしの空間に着目して

改行マーク最後に、 新アテネ憲章で繰り返し述べられている概念とはどんなものかを探り出したいと思います。


何を目指すべきで、 何が課題なのか

改行マーク新アテネ憲章が主張していることを要約すると、 都市がサステイナブル(sustainable)でリジェネラティブ(regenerative)でなければならないということです。 サステイナブルとは持続性、 リジェネラティブとは生まれ変わるということです。 何を持続させるかというと、 街や文化、 社会を含んだ環境のことで、 それがサステイナブルでなければいけないと繰り返し述べられています。 リジェネラティブという言葉で述べられているのは、 生き生きとした状態がどうやって継続できるかということです。 それに大きな関心が寄せられていて、 今のヨーロッパ社会の状況を反映していると思います。

改行マーク「多様性」の問題が繰り返し出てくるのは、 相互作用性や関係性がサステイナブルなものと相関していますので、 単独でまとめてしまうとサステイナブルなものが弱まってくるという認識があるからだと思います。 そこで、 リジェネラティブの発想が出てくるのだと思います。 これはちょっと飛躍した捉え方かもしれませんが。 本当に子供や若者が暮らしやすい都市が出来ているのかどうかが問われているように思います。

改行マークこういう都市の持続性、 再生の問題は、 市場の仕組みだけでは出来ないという論調が基本にあるようで、 新しい経済セクターが介入することで解決への糸口がつかめることを期待していると読みとることができます。


新アテネ憲章で強調している都市の魅力とは?

改行マーク新アテネ憲章では「都市の魅力」について繰り返し書いています。 ここで言う都市とは、 もちろんヨーロッパの都市のことです。 「建物と建物の間」とか「オープンスペース」が都市の資源だと言われると、 確かにヨーロッパはそうだなと思いますが、 そうした都市の原点である町並みの質を落とさないことを繰り返して強調しています。

改行マークそれと同時に「ほどよい混合」が魅力でもあると認識しており、 魅力の対象としてサステイナブルやリジェネラティブを考えようとする構造があることに気がつきます。


都市計画家の仕事

改行マーク1986年と1988年にECTPでは「都市計画家の仕事」を定義しました。 それを紹介することで、 締めくくりにしたいと思います。

 自営、 請負、 俸給を受けているか、 あるいは独立しているか雇用されているか、 実施に携わっているか調査をしているか、 公共セクターか民間セクターかにかかわらず、 都市計画家は、 基本的に、 次のような仕事に全体的あるいは部分的にあたる。

  • 地域社会における現在そして将来のニーズを明確にし、 行動の機会、 影響、 制限そして関わり合いに市民の注意を引きつける。
  • 調査からのガイダンスに配慮し、 口火を切るため、 規制するため、 順応させるため、 改変を可能にしそして実行するため政策や計画を提案する。
  • 開発のための政策や計画の空間的なコンセプトをデザインする。
  • これらの政策や計画の実現にむけて協議する。
  • 変化するニーズや機会にしたがって、 これらの政策や計画を、 継続的に導き、 制御し、 実行する。
  • 調査の模範を示し、 訓練の仕組みを保証する。
 
改行マーク以上が、 新アテネ憲章の概略です。 本文にはもう少し具体的に書いてありますので、 参考にしていただきたいと思います。

改行マーク引き続き、 丸茂先生からのコメントをいただきたいと思います。

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