「屋根は傾斜がいい」とガイドラインに書いてあっても、 その結果どうなったかに誰も責任持たないわけです。 適当に言葉で遊んでいますが、 実際に、 それがどういう空間を生み出したかを追及し反省するという機会があまりありません。
例えば高さ制限が15mの地域で屋根をかけると、 半端な階高になって、 内部空間が非常につくりにくいにもかかわらず、 傾斜がいいとか、 そのようなことを景観ルールを決める時に、 簡単に決められてしまいがちです。 その結果、 設計する人が大変な目に合うことも出てきます。
屋根というとなんか人間的で優しいとか、 あるいは地域の固有性が発揮できるとか言って、 この言葉にだまされてしまって、 ではどういう屋根を使ったらいいかをあまり考えないできているのではないかと思います。
このように屋根は都市の景観にとっても非常に重要なのですが、 その内容があまり考えられていない、 少なくとも真剣には考えられていないという実態があります。 こういう問題をどういう観点で考えたら良いかについて、 今日は私とミレーナさんで一緒に発表したいと思います。
ミレーナさんはブラジルからの留学生で、 ブラジルの南の方のロンドリーナ大学の講師をやっておられます。 日本に3年留学していて、 日本らしい景観に関心をもち、 こういう研究を一緒にやることになりました。 それを今日紹介して、 皆さんの批判やコメントをいただいて、 都市と屋根をどう考えたら良いのか、 一緒に考えてみたいと思います。
ガイドラインの問題点
このページへのご意見は前田裕資へ
(C) by 都市環境デザイン会議関西ブロック JUDI Kansai