品川の東側は、 埋め立て地なので、 実は真っ平らなのです。 この真っ平らなのっぺりとした地面に広場ができているというのではなく、 実際のプロジェクトとしては、 一階にちょっと高いところがあって地下一階におりて、 また持ち上がってくるという形になっています。前に 本文へ 次へ
例えばシャンゼリゼであるとか、 東京ならば表参道であるとか、 いい通りはみんな曲面です。 そういう曲面を人工的につくる、 地形をまずつくりだすことから発想しようとしています。
このプロジェクトに関わりながら、 日本で大きな公共空間をつくる時に注意しなければならないと思ったことが二つあります。 それは「広場」をつくるのではなく、 「道」をつくったほうがいいのではないかということ。 それから「広場」ではなく「杜(もり)」をつくった方がいいのではないかということです。 ヨーロッパの広場のようにぱーっと開いていて青空が見えているよりも、 木で覆われている杜をつくったほうが、 公共空間としては親切なのではないかということです。
現在はすでに高層棟が3棟並んでいまして、 歩行者大空間は高層棟で囲まれた状態になっています。 それは日本ではありえなかったスケールであるわけです。 そこを一つの大きな空間として構成するのではなく、 細かく分断された杜(もり)の空間にしたい。 それが集積してそのなかを歩いていく空間にしたいと思っています。