お祭りになると露店が出て、 境内の広々とした広場に一つの道ができます。 そういう空間に人は集まってくるわけです。 これは私の勝手な思いこみかもしれませんが、 日本人は立ち止まって座るという空間の感じ方よりも、 そぞろ歩きのなかで公共空間を味わうというほうを好むのではないかと思います。 人と話す時も、 イタリアに行きますと広場のなかで椅子を向かい合わせて議論している風景にあうことがあるのですが、 日本人は連れだって歩きながら話す、 あるいはすれ違いざま声を掛けるといった、 都市で動きながら他人と交流するという特質があるように思えるのです。前に 本文へ 次へ