関東地方の外国人居住エリア |
内なる国際化は、 今や、 大久保・池袋など盛り場や、 外国人労働者問題で有名になった企業城下町や、 東北地方の農村花嫁など、 一部の地域のみに見られる特殊現象とは言えなくなってきた。 ごくありふれた普通の街や、 これといった特色もない地方都市にまで、 ひたひたと国際化の波が押し寄せてきている。
1980年代後半から90年代初頭にかけて急増した在留外国人の数は、 バブル経済崩壊以降、 数値的には漸増傾向に落ち着いている。 しかし、 彼らは着実に日本という異国に根をおろし、 徐々にネットワークを形成しはじめているようだ。 現在の彼らは、 10年前に母国からいきなり東京という見知らぬ大都会に漂着した人々とは明らかに異なる。 既に彼らの親類縁者・友人知人たちが日本で生活基盤を築きはじめており、 日本の何処で暮らしていても、 様々な情報や支援が得られるようになってきた。 彼らの居住地は次第に日本各地に拡散しはじめている。 しかしそれは、 全く無秩序な拡散ではなく、 あるベクトルをもちながらゾーンとして広がりはじめた、 そういう感じの拡散なのである。