時事往来12
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雑居ビルに隠れた外国

―池袋駅周辺(豊島区)

 
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雑居ビル
ビルの最上階、 モスクの掲示板 ビルの4階にある中国系雑貨店
 

改行マーク中東の都市に行くと、 街の真ん中で燦然と輝いているのは、 なんといっても尖塔に囲まれたモスクのドームである。 モスクは、 イスラム教徒の信仰・生活の全ての基礎になっているといっても過言ではないだろう。 日本には、 イランをはじめとしてイスラム諸国から続々と人々がやってきているが、 その割には街にモスクが見あたらない。 その答えは、 雑居ビルの中にあった。

改行マーク池袋駅西口。 駅前広場の一本裏の路地を入ったところに、 何の変哲もない雑居ビルがある。 この最上階に、 モスクがあるのだ。 気が付かなければ、 そのまま通り過ぎてしまうだろう。 ビルの階段を登り詰めたところが、 モスクだ。 階段の踊り場で靴を脱ぐと、 もうそこは礼拝の場である。 イスラム教は、 建物の外形のいかんはあまり問わないのだ。 いまや東京では、 こうしたモスクでないようなモスクが主流となってきた。

改行マークモスクの階下は、 パキスタン料理店になっている。 礼拝帰りなのだろうか、 大勢の人々が食事している。 客の一人は、 貿易商らしく、 週に一度は来るらしい。 さらにその下の階にはパキスタン雑貨店があり、 食料品を中心に、 雑誌や音楽テープなども取り扱っている。 偉大なる歌手、 ヌスラット・ファテフ・アリ・カーンの音楽も、 聴くことができる。 この雑居ビルに来さえすれば、 精神的だけでなく、 物質的にも満足できるようになっているのである。

改行マーク故国への渇望をいやしたいと思っている外国人は、 パキスタン人だけではない。 だから、 池袋駅周辺には、 各国から来た人々向けに、 各国の雑貨店が勢揃いしている。 ほとんどは、 雑居ビルの中にひっそり店を構えているから、 口コミなどで知った馴染み客ばかりのようだ。 中国系、 東南アジア系、 韓国系、 中東系など、 全部回れば世界中の日常食品があらかた入手できてしまう。

改行マーク駅から徒歩10分圏でも、 ネパール料理店が営業している池袋。 この街で暮らすと、 毎日が世界旅行になるかも知れない。

(文責:笠原秀樹/訪問時期:1997年10月)

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