まち居住通信2
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大久保定点観測'98〜外国人関連施設の現状

 

 

改行マーク大久保のまちではエスニックレストランや外国語の看板を出しているお店をたくさん見かけますが、 いったいどんなお店がどのくらいあるのでしょうか。 まち居住研究会ではこれまでに3回、 “大久保定点観測”と銘打って、 新大久保駅を中心とした地域の外国人関連施設を観察調査してきました。 98年10月に実施した最新の調査結果をもとに、 外国人関連の店舗や事務所の現状を報告します(塩路安紀子)。

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外国人関連施設分布図
●あくまで外観から判断する調査であり、 「外国人関連施設」として以下をカウントした。


調査のたびに店舗・事務所数は倍増

 
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改行マーク過去3回、 93年12月から約2年半おきに調査地区内を踏査した結果、 外国人関連施設数は、 43軒(93.12)、 88軒(96.5)、 159軒(98.10)と調査のたびにほぼ倍増を続けている。

韓国系店舗・事務所の著しい増加

改行マークJR新大久保駅の東側、 大久保通りと職安通りに挟まれた地域では、 特に韓国系の店舗・事務所の増加が著しい。 最近来日した人たちからは、 「ソウルにいるのと変わりはない」という声も聞く。 日本で韓国系の商売を展開する上で、 大久保に拠点を置くのがよいと判断し進出してきた店舗・事務所もある。
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外国人関連施設数の変遷(業種別)
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外国人関連施設数の変遷(国・地域別)

業種の多様化・専門化

改行マーク韓国系の店舗・事務所は単に増加しているだけでなく、 業種の多様化・専門化が進んでいる。 最新調査では、 これまでには見られなかった書籍・CD専門店、 衣料品店、 中古品リサイクル店、 不動産屋などの店舗・事務所が出現している。

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韓国系不動産会社。 隣には韓国系の携帯電話取次店が入っている。 ハングルの看板があふれる通り 韓国系の書籍・CD専門店
 

    改行マーク93年・96年の調査では、 同国人同士の利便のために自国の食材やビデオ、 美容院などの店舗を開店しているという印象を受けたが、 98年調査では、 日本人や他の国の人たちも積極的に対象にしようとする店舗が少なからず見られた。 同時に日本人が経営する店舗の中でも、 数カ国語の看板を出したり品揃えを変えたりと、 外国人顧客に対応しようとする様子がうかがえた。 このようなマーケット対象の広がりと対応によって、 外観から“外国人関連施設”をカウントするという調査方法だけでは実情の把握が難しくなっている。 そもそも“外国人関連施設”という捉え方が、 次第に意味をなさなくなってくるのだろう。
 
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