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6 接道不良(路地の問題)

接道不良

 接道不良とは、 建築基準法にもとづく接道条件を満たしていない敷地の状態のことである。 建築基準法では、 4m以上の道路に2m以上接道(道路に面している宅地の長さ)していないと、 その宅地を敷地として建物を建てることはできない。 今回の震災では、 接道不良問題が、 狭小宅地とならんで再建が困難となる要因になっている。


接道不良のタイプ

 接道不良にも、 いくつかのタイプがある。 市街地建築物法(大正9年)では、 建物の建設にあたって9尺(約2.7m)以上の道路の確保が既定されている。 建築基準法が制定されるまでは、 2.7mの道路に面する宅地で家が建てられていた。 また地主による長屋経営では、 街区内の私有地内に路地をとり、 長屋経営を行っていた。 その後、 経営者が長屋の1件づつを個別に借家人に売却した結果、 長屋の持地持家化が進み、 私道である幅員4m未満の狭い路地に面する宅地が生まれた。 この場合、 個別に建て替えるには、 敷地が接している道路(路地)が、 4m以上ないため、 いずれの場合も接道不良となる。

 また、 宅地が細分化していく中で、 道路に面する表宅地と裏宅地ができる。 裏宅地に対しては、 道路からのアプローチがとられるが、 そのアプローチの幅はたいてい2mもない。 裏の宅地から表の道路に通じる路地の幅員が2m以上ないと接道不良になる。

 このように市街化の長い時間の中で、 宅地の所有条件が変わったり、 細分化したりすることにより、 接道不良宅地が生まれてきている。


二項道路

 これに対して、 一定の条件(幅員1.8m以上等)を満たす4m未満の細い道については、 建築基準法43条二項に基づく道路に指定すること(=二項道路)により、 指定された道は、 建築基準法による「道路」と位置づけられる。 この道に面する宅地は、 前面の二項道路の中心から2m後退して建築することが可能になり、 建築可能な敷地となる。 つまり、 宅地の前の道が3mしかなくても、 道路に面した宅地の前面の50cm分を道路とすることで、 建物を建てることができる。

 しかし、 宅地が狭小である場合は、 道路中心から2mの後退を確保すると、 敷地面積はより小さくなり、 実際には住宅としての設計が難しくなるものも多い。 その結果、 違反建築物も建てられてきている。

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