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18 集落

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北淡町富島地区・土地区画整理事業区域図
 大都市部での被害が甚大であったが、 震源地に近い淡路島や神戸市西区、 北区の農村集落においても被害がでている。 特に、 淡路島北淡町、 一宮町などでは、 全半壊率が50%を超える集落もある。

 淡路島の被災地には、 漁村集落の形態を残すところも多い。 漁村型の集落は、 旧河道や扇状化に開けたところに点在し、 大きさは、 200〜300ha程度である。 過疎化・高齢化が進んでいるところもみられる。 このような集落は、 海にむかう道とそれをつなぐ入り組んだ路地を介して、 住宅・店舗・作業場が建て並ぶ。 市街地でいうところの密集市街地と同じような住環境となっている。 しかし、 インナーシティの密集市街地と異なり、 ここでは、 漁村の集落形態を基礎とし、 共同体として、 1つのまとまりのある集住空間が成立している。

 集落に固有の空間構造が都市的市街化の空間構造とは異なるものであり、 このような集落地域に対しては、 従来から都市計画区域指定は行われていなかった。 その中で北淡町では、 市街地整備の観点から震災前より都市計画区域指定を行う準備が行われていた。 震災後、 予定を早めて、 都市計画区域指定を行い、 特に被害の大きかった富島地区について、 土地区画整理事業の導入を進めた。

 しかし、 富島地区も、 漁村型集落の空間形態を色濃く残すところであり、 市街地の街区形成とは異なる空間構造をベースに、 海へ向かう細い路地に面して住宅が建っている。 このような集落の基本構造と関係なく、 都市計画道路や区画道路が計画されたこともあって、 区画整理事業計画をめぐり地区内での対立が続いた。

 都市計画区域以外の地区での住宅再建等については、 密集事業などの住環境事業制度の適用により、 再建支援が進められている。 一宮町郡家地区、 北淡町室津地区、 東浦町仮屋地区など、 淡路地域では6地区で密集事業が適用されている。

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