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6 規制緩和

 今回の震災を「インナーシティ災害」と呼ぶこともあるように、 被災地の多くはインナーエリアと重なる。 そこでの狭小あるいは接道不良宅地での再建を促すため、 様々な規制緩和措置がとられた。 その中には、 「特別措置法」による事業地区における要件緩和や、 街並み誘導型地区計画による規制の緩和などがある。 これらの緩和措置を実現するためには、 地域の面的な整備方針を決める必要があるが、 この方針決定にあたっては住民による合意形成が必要であり、 被災地全域で展開するには時間がかかる。 これに対し、 個別の再建を支援する施策の一つとして、 接道条件の緩和がある。


接道条件の緩和

 建築基準法上は、 建築基準法42条によって道路が位置づけられており、 この道路に2m以上接していなければ、 基準法上の敷地とはならない。 今回の震災では、 こうした接道条件を満たしていない宅地に建てられた既存不適格建物が集積するインナーエリアが、 壊滅的な被害を受けた。

 未接道宅地の場合、 再建するためには接道している隣接宅地との共同化や、 隣接する敷地同士で共同化等により、 2M接道を確保することが必要となる。 しかし、 接道している宅地と共同化を進めようにも、 接道宅地には共同化への積極的な必然性に乏しく、 また2以上の未接道の宅地が隣接している事例も必ずしも多くはない。 つまり、 建築基準法上の道路の規制に関する緩和が行わなければ、 被災地で多くの建物の再建が不可能となることが予想された。

 そこで、 神戸市は、 震災の2ヶ月後に「震災復興のための戸建住宅の建て替えに対する法第43条ただし書の適用」「兵庫県建築基準法条例の接道義務規定を満たしていない既存不適格であった建築物(共同建物または長屋)の震災復興のための建て替えに場合の取り扱い」等により、 接道義務の規制緩和を行うこととした。

 「震災復興のための戸建住宅の建て替えに対する法第43条ただし書の適用」が適用される建物とそのケースは以下のとおりである。

適応される建築

適応されるケース

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