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9)土地区画整理地区内での集合換地による共同化
「復興再建共同化住宅:サンコート鷹取」の事例(長田区日吉町)

コー・プラン 吉原 誠

「きんもくせい」44号

画像s152a
仮換地指定図
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計画敷地周辺図
 長田区日吉町6丁目は、 震災復興区画整理・鷹取東第一地区のほぼ中央北側に位置する。 この事業の特徴は、 区画整理事業における集約換地を活用し、 地区内の狭小宅地所有者で共同化事業への参加希望者を募り、 点在する希望者の土地を一ヶ所に集めたことである。 本来、 区画整理事業の換地は、 現在ある宅地の位置から大きく動かすことはない。 ここでは、 まとまった土地所有者の協力を得ることで、 点在する狭小宅地所有者で共同化希望者の宅地を一ヶ所にまとめることができた。

 このような集約換地を行うためには、 土地の評価とあわせて、 換地後の共同化再建の方針を固めていく必要がある。 共同化に参加する意思の確認と換地先の確保が課題となる。 地区全体の換地計画とも関わり、 共同化参加者の土地をまとめられるかどうかが、 共同化事業の最初のハードルとなる。 区画整理事業地区内であるからこそ、 点在する共同化希望者をまとめることが可能となるのである。

 この事業では、 14名の参加者が、 共同化敷地をまとめた。 参加者のほとんどは面積30〜40m2の狭小な敷地の所有者であり、 その多くが高齢であるため、 個別敷地での一戸建ての再建が困難な状況にあった。

 共同化事業では、 まず集合換地した土地を一度、 ディベロッパーである住宅・都市整備公団に譲渡し、 公団が建設した共同住宅の床を、 譲り受けるというグループ分譲制度を活用した。 これにより、 従前敷地の約1.2倍の住戸面積を得ることができる。

 従前敷地の約1.2倍の床面積の等価交換を確保し、 権利者の負担を減らすためには、 売却可能な保留床をなるべく多く確保しなければならない。 保留床の売却価格が建設費と同じであれば、 権利者の負担はゼロになる。 しかし、 インナー型総合設計制度を活用しても、 容積率200%に、 50%の上積みするのがやっとで、 多くの保留床をとることは難しい。 このため工事費の抑制が重要となる。 そのなかで住市総の補助は、 総工費の2割弱ではあるが、 大きな意味を持っていた。

 「サンコート鷹取」の共同化事業が具体化できたのは、 14名全員が土地所有者であり、 他の共同化でみられるような複雑な権利関係がなかったこと、 参加者が、 「再び日吉町6丁目で暮らすためには、 共同化しかあらへん」いう強い思いを共有化できたことが、 大きかった。

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