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9)土地区画整理地区内での集合換地による共同化
「復興再建共同化住宅:サンコート鷹取」の事例(長田区日吉町)コー・プラン 吉原 誠
「きんもくせい」44号
仮換地指定図 |
計画敷地周辺図 |
このような集約換地を行うためには、 土地の評価とあわせて、 換地後の共同化再建の方針を固めていく必要がある。 共同化に参加する意思の確認と換地先の確保が課題となる。 地区全体の換地計画とも関わり、 共同化参加者の土地をまとめられるかどうかが、 共同化事業の最初のハードルとなる。 区画整理事業地区内であるからこそ、 点在する共同化希望者をまとめることが可能となるのである。
この事業では、 14名の参加者が、 共同化敷地をまとめた。 参加者のほとんどは面積30〜40m2の狭小な敷地の所有者であり、 その多くが高齢であるため、 個別敷地での一戸建ての再建が困難な状況にあった。
共同化事業では、 まず集合換地した土地を一度、 ディベロッパーである住宅・都市整備公団に譲渡し、 公団が建設した共同住宅の床を、 譲り受けるというグループ分譲制度を活用した。 これにより、 従前敷地の約1.2倍の住戸面積を得ることができる。
従前敷地の約1.2倍の床面積の等価交換を確保し、 権利者の負担を減らすためには、 売却可能な保留床をなるべく多く確保しなければならない。 保留床の売却価格が建設費と同じであれば、 権利者の負担はゼロになる。 しかし、 インナー型総合設計制度を活用しても、 容積率200%に、 50%の上積みするのがやっとで、 多くの保留床をとることは難しい。 このため工事費の抑制が重要となる。 そのなかで住市総の補助は、 総工費の2割弱ではあるが、 大きな意味を持っていた。
「サンコート鷹取」の共同化事業が具体化できたのは、 14名全員が土地所有者であり、 他の共同化でみられるような複雑な権利関係がなかったこと、 参加者が、 「再び日吉町6丁目で暮らすためには、 共同化しかあらへん」いう強い思いを共有化できたことが、 大きかった。
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