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8)灰色地域における等価交換方式による共同化(新在家地区)
GU計画研究所 後藤祐介
「きんもくせい」12号、 24号、 36号、 48号
新在家地区における敷地の状況 |
このうち、 3丁目A・B街区は等価交換方式で進められた。 A街区は、 2軒の残存家屋の協力を得ているところに特徴があり、 土地所有者20人の共同化事業である。
敷地面積約720m2に32戸(延床面積2420m2)の集合住宅を建てる計画である。 このうち、 デベロッパーが12戸分を買い取ることになっている。 このデベロッパーへの売却により、 建設費における権利者負担分の大部分をまかなうことができた。 不足分は、 従前権利者(土地所有者)が権利の持ち分に応じて負担する。
権利者分の住戸(20戸)は、 土地の評価に応じて、 住戸面積を決める。 土地持ち分1に対して、 住戸面積持ち分を決める。 このとき再建計画の中で、 各自の条件を調整し、 少し狭くても負担なしを選ぶ人(言い換えるならば、 土地の持ち分を売ること)、 持ち分を買いたして広くしたい人などを調整し、 住宅設計に反映させた。
等価交換方式の基本は、 再建前の土地(残存家屋所有者は土地・建物)の評価に応じて、 再建後の土地・建物(建設費)の部分を取得するものである。
この共同再建プロジェクトの特徴は、 全半壊を免れた2戸が参加することにより、 敷地形状がよくなり、 加えて隣接地の共同化プロジェクトと一体で道路の付け替えを行うことが可能となり、 結果的に共同化した敷地をより有効に利用することができたことである。 また、 幹線道路に面しているため、 容積率が300%あり、 民間デベロッパーにとっても、 事業収益がある程度見込まれるようになったため、 共同化事業が進展したといえる。
被災地での共同化事業では、 ほとんど事業性が低く、 民間デベロッパーの参加を得ることが困難な状況である。
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