2 六甲道駅北地区、 神前地区
―土地区画整理事業UR都市・計画・設計研究所 岩崎俊延
六甲道駅北地区位置図 |
六甲道駅北地区は神戸市施行による震災復興の土地区画整理事業です。 都市調査計画事務所の長島弘之さん、 コー・プランの細野彰さん、 そして私の3人がコンサルチームを組んで仕事を進めていますが、 代表して私が報告を行うことになりました。
神前地区は組合施行による震災復興土地区画整理事業で、 こちらはチームでなく、 都市・計画・設計研究所が業務代行者として進めています。
六甲道駅北地区・事業の流れ |
その年の10月には連合協議会が中心となって地区計画の要望書を神戸市に提出しました。 平成9年は、 各協議会から出された案を市の中でさばいて事業として走っていくための年となりました。 その間、 各協議会は第1次まちづくり提案を詳しく詰めて検討を重ね、 翌年、 平成10年4月に第2次まちづくり提案を市に提出しています。
六甲道駅北地区の8つの協議会の構成 |
都賀地区防災福祉コミュニティの組織概念図 |
99年には、 我々と協議会が呼びかけ人となって都賀地区全体の防災福祉コミュニティを作ろうということになりました。 けっこうややこしい問題を含みつつも、 今活動中です。
花園線の拡幅工事
8m道路
6m道路に広げた後
JR沿いの道路
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神前町地区は、 ほとんどの建物が倒壊する大きな被害があいました。 いろいろな経緯があり、 震災の翌年平成8年1月になって神前町まちづくり協議会を設立しました。 そして、 最初の取り組みとして、 2丁目北地区の復興計画の検討を始めました。 検討開始から1年弱で事業計画・組合設立の認可にこぎ着けられました。 平成9年1月14日には「神前町2丁目北震災復興土地区画整理組合」を設立しました。
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神前町の中央部を南北に通る花園線という都市計画道路の東側に面する1つの街区の中(約5千m²)のみを対象として、 幅員4.5mの道をつくる計画です。 立ち上がりが早かったので事業もすぐに完成すると、 安易に考えていたのですが、 難しい問題が次々に出てきました。
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仮換地の指定の途中までは比較的早く進みましたが、 行政不服審査請求が1件出されるなど、 工事段階に入って停滞が続きました。 しかし、 できるところから工事をこつこつ進めると共に、 粘り強い工夫を重ねることにより、 昨年末から問題が次々解決し始め、 先の申請も却下されて、 この間まで工事できなかったところも一気に目処がつきました。 今年の夏には工事が完了する予定です。 震災復興の土地区画整理事業としては、 完成第1号になれるのではないかと思っています。
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いろいろな工夫を行いましたが、 足が弱ってられる高齢者の建物移転で、 兄弟の2軒の建物移転を連棟で建てることにし、 移動負担を小さくする工夫をしました。 先にできた家に全員が移り、 「仮住居」にして、 元の家をつぶした後、 残りを建てて、 また移動してもらうという手間のかかることになりましたが、 ご兄弟だったことで円滑に実現しました。
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移転補償について、 ご理解得やすいように道路の線形を工夫したところもあります。
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また、 都(みやこ)会館という神戸市の施設横の道路も大変でした。 道路予定地にものすごい木造老朽住宅が建っていました。 ご病気の借家人がおられ、 家主の協力も得られず、 転出実現に困りましたが、 法律専門家や、 市の各方面の様々なご協力を得て解決できました。
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とにかく、 今、 みんなで、 最終段階を頑張っています。 以上で、 六甲道駅北地区と神前町2丁目北地区についての報告を終わります。
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