車の好きな人は、 よく車を磨き、 カメラの好きな人は手入れを怠らない。 本もそうだ。 全然売れない本でも毎日毎日「売れてね」と声をかけ、 触っていると売れる。 本が触られていないと思われる書店は、 たいてい売れ行きが悪そうな店が多い。 そうは思いませんか。
本は買う人に触ってもらいたいのではないのだ。 本屋さんに触ってもらいたいのだ。 スリップが飛び出していたり、 カバーや帯がずれていたり、 破れていたり、 買って貰うにはあまりに惨めな姿で、 棚からお客さんに色目を向けているのはつらいのである。
そこで謎のピラミッドパワー販売法をこっそり教えよう。 秘伝中の秘伝だからだれにも言わないように。 まず一つのジャンルのなかで売れ行き良好書を3冊ぬきだそう。 そして売りたいのだが、 なかなか売れてくれない本を1冊選び出す。 棚の前に立ち、 売れ行き良好書3点それぞれを三角形の頂点にそれぞれ配す。 そして売りたい本をその三角形の中心に置くのである。 そのときこの合計4点の本を充分に触り、 棚に収めるとき「売れろ」と念じるのである。 するとどうだろう売りたいと思っていた中心の1冊が売れて行くのである。 ただし売れるまでその4点については毎日触ってあげなければならないのだ。 またそのついでにその周辺の本にも目配せしてあげよう。 この方法はちょっと眉つばくさいけどやってみる価値はある、 と思うよ。
で、そこまでやって売れなかったらどうするかって?。それはあなたの目利きが悪かったか、本が元々売れないものだったということ。私の責任ではありません。