28番目
《ゴールデンラインについて》
棚の前に立って、 ちょうど目の高さにくる棚をゴールデンラインという。 1メートル80の人と1メートル60の人では高さが違うじゃないかといわれるとそうなのだけど、 壁面の棚で、 棚下にストックがある場合は下から3番目くらい、 棚下にストックがなく立ち上がっている場合は下から4番目くらいの棚である。 ここにどんな本が入っているかで書店の実力が分かる。 ゴールデンラインを中心に棚を作るというのは結構しんどいものである。 なぜなら本の大きさが違ったり、 ジャンル分けの都合上どうしても売れ行きの良いものが目の高さから外れるというようなことがあるからだ。 また最近の書架は可動式になっているけど、 基本がB6やA5判の固定棚だとB5やA4なんて本は上の方に追いやられたりするのだ。 こうした制約を乗り越えて、 キチンと売れ筋を見せるように工夫している書店は、 やっぱりエライ。
スーパーに行って醤油が棚の一番上にあったら手に取るとき落としそうで買えない。 売れるものは目の前にあり手に取りやすい、 これが基本だ。 何としても売れ筋の本は目の高さにに陳列しなくてはならない。 たとえ棚をたたき壊しても、 またジャンル分けがおかしくなってもだ。 店の都合で商品を展示してはいけない。 店の都合など読者にとっては全く無縁の事である。
さらにゴールデンラインに売れ筋商品を並べると、 それがアイキャッチャーになりその棚が何を陳列しているのかが一目で分かるのである。 核になる商品をゴールデンラインに、 そしてそれを中心に周囲に関連商品を並べる。 売れている店はみんなそうなっている。
そうそう、 売れ筋商品は補充するための棚差し回数も多くなるから、 しゃがんだり、 爪先立ったりしなくていいから目の前の棚は、 補充も楽チンだよ。
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