フルカバーは、 棚差しでは背表紙しか見えないので、 思い切って表紙全部を見せて読者にアピールする販売方法なのだが、 棚を使うので、 棚差しより棚の展示点数が極端に少なくなる。 それから理由は定かでないが、 フルカバーは平積みよりなんとなく迫力不足で、 売れ行きの良いのは平積み一番、 フルカバー2番というイメージがある。
フルカバーは平台の上置き棚なんかでよく使われる手法だけど、 書店の方でもフルカバーは無意識のうちに2番手商品にしているのではないだろうか。 平積みしたいけど平台は売れ行き良好書で埋まっているし、 棚に差したら目立たないし、 それならエーイ!フルカバーだ。 なんて感じじゃないだろうか。 そうやって売っているのだから読者に見破られても不思議じゃない。 つまりフルカバーという展示方法は実は大変難しいテクニックなのである。 平台と上置きの棚の連動で売るのなら、 売れ行きが鈍いと思われる新刊をフルカバーにするよりも、 棚から売れ行きの良い新刊の関連図書を抜いて来て棚差しで並べた方が良いかもしれない。 中途半端な気持ちでフルカバー展示を選択すると棚がぼやけてしまう。 まあ、 フルカバーはケースバイケースでやるのがよろしいと思います。
店の本の大半がフルカバーという書店があるけど、 これについてはお見事というしかない。