36番目
《注文の出し方 注文編》
取次の倉庫は電算化が進んでいて、 機械で処理できない短冊は、 大変な手間をかけて出荷している。 つまり手書きの短冊やISBNのない短冊は、 やっかいものなのだ。 短冊はコンピュータが読み取ることを前提としてシステムが組み立てられているので、 電算化されていない短冊は後回しとなる。 電算化されていない短冊は、 コンピュータが読み取れるように加工したりするのだが、 それが追い付かな場合はやはり人間が処理をすることになる。 つまり注文はコンピュータを使ってするのが当たり前、 手書きなんていうものはとんでもない代物なのである。 確かにコンピュータよりもベテランの経験者の方が処理スピードは早いのだが、 書店の事情と同様、 経験のないものでも業務をこなせるようにしたのがコンピュータシステムなのである。
注文はコンピュータで、 というのは基本である。 しかし注文の仕方はこれだけではない。 取次の担当者のいる書店ならば、 担当者をフル活用する。 あるいは出版社にfaxあるいは電話で注文するなど方法はいくつもある。 コンピュータは大手書店を優先する仕組みになっているため、 売れ行き良好書の多くは大書店に流れることになる。 こういう場合コンピュータによる発注は無意味である。 注文しても入って来ないと嘆く前に、 発注の方法に誤りはなかったかを確認すべきである。 システムが複雑になればなるほど、 単純なことが生きる場合がある。 コンピュータにいくらお願いしてもダメなものはダメなのだが、 人間というのは、 お願いされると、 なんとかしたくなるものである。
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