出版社への電話注文のメリットは、 何と言っても取次への搬入日が確認できることである。 また品切れ、 重版中などの情報が正確に把握できる点である。 客注品の流通時間の短縮については業界のほぼすべてでコンセンサスができており、 優先的に出荷しているはずだ。 そして客注品はスムーズに流通しているということを大前提にすれば、 発注から入荷までの日数を経験的に把握することによって、 客注品の入荷日はほぼわかるはずである。 さらに電話は発注と受注の責任が明確になるため、 万が一事故が発生してもそれに対処すべき方法が残される。 最近では機械化により取次の在庫状況や出版社の在庫状況をディスプレイ上で確認できるが、 在庫数がリアルタイムでないことや、 受注のサインは受け取れるが、 出荷のサインが受け取れないなど、 発注側の不安が残されている。 特に対面販売となる客注は、 100に一つの間違った答えを言えない業務である。 機械化による在庫照会について、 読者に「取次の倉庫にありますので1週間以内に入荷します。 」と自信を持って答えられるまでにはまだ時間がかかりそうだ。 それからfaxという手があるのだが、 これは情報を正確に伝えられるという大変便利なものであるが、 誤送信は後をたたないし、 着信したかどうか、 あるいは出荷日を返事をくださいというのは着信側で結構面倒なものである。
読者の前で出版社に電話し、 即座に在庫や出荷日を読者に伝える。 これがサービスであると思う。 このとき2週間かかる、 と言ったところで読者は怒りを覚えないと思うのだが。 大概の場合、 書店では予約受付担当者に読者に対して当たり障りのないように、 紋切り型で「約3週間ほどかかります」と言わせていると思うのだけど、 すぐ欲しいと思っているのに即座に、 そんなことをを言われたら、 いらないと思ってしまうのは当然だ。