39番目

《でかい本はつらい》

 あたりまえだけど、 書店の棚は商品を陳列して、 読者に買って頂くためのものである。 つまり自宅の書架とは違うのである。 だから、 ただ本を並べておけばよい、 というものではないのは当然のことである。 分類するのも、 目につきやすくするのも「売る」という行為のためにある。

 文庫、 新書や文芸書などはサイズがほぼ決まっていて、 棚はそれに合わせて作ってある。 しかし最近本のサイズが大型化していて、 古典的なA5判やB6判を基本とした棚では本を展示しにくくなっている。 A4判やB5判を収納する棚はなぜか棚の最上段にある場合が多く、 大型の本は手に取りにくい場所に展示されることが多い。 また棚のサイズを変更できる棚もあるが、 有効利用されている店は少ない。 すべてではないが、 どうも書店では本のサイズに合わせて展示しているように思えてならない。

 売りたい本がA4判なら、 関連図書がすべてB6判でも、 売りたいA4判にあわせた棚にすべきであると思う。 本のサイズによって陳列場所を決めるのは、 売るという行為から逸脱している。 パソコン本の主力商品は多くがB5判である。 書店はそれに合わせて棚のサイズを変えた。 これがもしA5判が主流でB5判がイレギュラーだったら、 B5判の本は売れ行きにかかわらず、 棚の上へ追いやられたのではないだろうか。 棚のサイズに合わないという理由だけで、 読者の目に触れない本があなたのお店ないだろうか。

 新刊の時は平台にあったのに、 棚に入れようとしたら入る棚がない、 だから返品?。世の中、でかい本とでかい顔はつらい。

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