41番目
《本は棚プレートだ》
書店では棚の一番上にジャンル表示をしている。 文芸書のコーナーでは<時代小説> <エッセイ> <冒険小説> <海外文学> というようなやつである。
これはほんのチョットしたことなのだけど、 各ジャンルにはそれぞれに売れ行きの安定した本、 ロングセラーや売れ行き良好書、それにちょっと読者にアピールしたい本というものがある。 こうした本を棚でフルカバー展示すると、 棚プレートと連動して、 一目でその棚が何の棚なのか読者にわかる。1間5段棚でふたつくらいこうして展示すると、 棚がいきいきしてくる。 注意しなければならないのは、 長期にわたって同じ本をフルカバーにはしないこと。 少なくても毎月代えて欲しいと思う。 じゃないと単なるカンバンになってしまう。 この方法の利点は、 チョット手抜きなのだが、 棚が縮んだとき、 つまり本が歯抜けになったとき緊急対策として何かをフルカバーにすると、 5冊分くらい棚をもとに戻すことができるというわけだ。 棚がガタガタになっているよりはましである。
棚というのは毎日見ていると、 どこになにがあるのかすぐにわかるのだが、 初めてその棚を見た人には、 結構キョロキョロとどこになにがあるのかを目で追うものである。 例えば、 料理書の棚なら、 <料理> とか <クッキング> なんていうプレートが棚の上についているだけで、 中華料理や和食なんて分類はプレートにはない。 そこで中華料理の本の群れのなかに一点だけフルカバーしておくと、 中華料理の本を探しているひとはすぐに目につくということである。 べつにこんなことしてもしなくても読者はチャント中華料理の本を料理の棚から探すのだけど、 レイアウトのお遊びとしてやって見ても損はないと思うのですが、 どうでしょう。
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