43番目

《読者は気が短い》

 レジ前で清算を待つ時間、 問い合わせの答え待ちの時間、 自分で本を探す時間、 読者の頭の中時間は、 書店員の頭の中の時間より短いものだ。 だからレジで待たされたり、 問い合わせしているのになかなか返事が貰えなかったり、 自分の欲しい本がなかなか見つからない時はイライラしているものである。 あなただって他の店ではそうではないでしょうか。 でも混雑するレジで 、順番に清算していると、 チョットくらい待ってくれてもいいと思うし、 一所懸命本を探しているのだから待っててね、 と思ったり、 ちゃんと並べているのだかしっかり見てくれよな、 と思ったりすることをいけないことだとは思わない。 ただ読者が待つのは当然であると思ってはいけないと思う。 読者は気が短いということを常に頭にいれておくことが大切だと思う。 じっくり見てくれないなら、 わかりやすいように陳列する、 レジが混雑しはじめたら待たせないようにミスのないようする、 また 「もうすこしお待ち下さい」 くらいの声はかける、 問い合わせの本がなかなか見つからない時は、 適当な時間で検索をあきらめて、 納得の行く答えを返答する、 など読者のイライラを少なくすることが次ぎの来店の鍵となるのだ。 なにも一所懸命本を探すことだけがサービスではない。 3分たって探し切れなかったら 「ない」 と言ってしまおう。 たとえ本が後で見つかっても、 それはそれでしかたない。 ときには嘘をつくことだって立派なサービスであると考えるのだけど、 やっぱりまずいかな。
 それから、 電話で応対するときの時間は、 もっとシビアだ。 「少々お待ちください」 の後 、2分間もつまらない音楽を聞かせれたら、 途中で電話を切りたくなる。 電話の場合2分待たせたら、 途中で「もう少々お待ちください」というメッセージを挟むか、 相手の電話番号を確認してかけ直すかしないと、 電話の向こうでは、 頭から湯気を出している、 ということになる。

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