49番目

《書店のPOSっていったい》

 商品管理にPOSを導入するということは、 これからの書店のあり方としては正解だろう。 それは業界全体が電子情報によって動きつつあるからだ。 POSとは、 商品管理が第一義であるが、 商品選別のための道具でもある。 売れ筋と死に筋の把握がその目的である。 これまで担当者の <感と経験> が頼りだっが、 商品管理を電子化しコンピュータで処理することによって、 <感と経験> による曖昧な商品管理を数値化しようということで、これは画期的な手法なのである。 コンビニやスーパーでは当たり前のこの手法が何故書店においては画期的かというと、 アイテム数の圧倒的な違いによるからである。 大規模店になると数万点の商品を抱えているが、 これをコンピュータで管理してしまおうというのである。 考えるだけで気の遠くなるような出来事である。 これを、 書店の商品管理システムのなかに組み込む、 というアイデアが画期的なのである。

 コンビニやスーパーのPOSといえども、 全自動で仕入れや返品の判断をしているわけではない。 新規アイテムの追加や旧商品の削除という作業は、 誰かが行っている。 また季節や気候による商品の売れ行き変動はある程度コンピュータが予測し、 判断出来るようになってはいるものの、 微調整は誰かがやっている。 これができるのは少数の人間が管理できるだけのアイテム数しかないからである。
 本の場合アイテム数を限定すると棚が空いてしまう。 在庫はすべて1冊であり、 回転中という商品が存在するからである。 スーパーなどでは、 在庫のない商品は売り切れである。 書店でも売れたらその棚に売り切れ補充中というサインを出すのだろうか。 また、棚で品切れがある一方、新アイテムが次々と入荷してくる。 POSは確かに素晴らしいアイデアに満ちている。 でもPOSは全自動ではないのだ。 自動化されていない部分、 つまり人間が判断する部分について誰がどのように管理するのだろう 。よくわからないけど書店のPOSって結構面倒臭いシステムなんじゃないかと思ってしまうのだが。 本当のところPOSっていったい。

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