59番目

《気の利いた展示》

 ある新刊について拡販のために平台に積むにしても、 書店毎にその展示の仕方が違う。新刊コーナーにドーンと積んでいる書店、 分野別の平台に積んでいる書店、 レジに積んでいる書店、 様々だ。 でも積んだから売れる訳ではない。 そこになんらかの仕掛けがないと読者は、 注意を向けない。 POPという手もあるけど、 そういうことではなく、 読者にとって気の効いた展示をしなければ本は売れないということを言いたい。

 旅行ガイド書のコーナーに旅行雑誌を置くとか、 チョット古いけど、 「猿岩石」 の本の隣には別の放浪記を並べる (深夜特急とか印度放浪や路上なんかがあるとうれしい) とか、 情報整理の本がヒットしたら過去のベストセラーなんかが一緒にあれば、 読者の購入の幅も広がるというものだ。

 ある本の販売に拘わるとき、 それと関連のあるものにも気を配ること、 せっかく膨大な量の商品にかこまれた環境にいるのだから、 1点だけを追い掛けるのではなく、 複数の商品に目を向け、 あわよくば1点だけではなく2点、 3点とお客に買わせるように仕掛けることが大切だ。 雑誌でもコミックでもなんでもいい、 常にその一点だけでなく周囲の本にも注意を払っておくようにしたいものだ。 ジャンルにこだわりすぎたり、 売り方の手法をひとつだけにしたりすると、 店の展示は硬直するということは頭に入れておいてほしい。
 よくベストセラーを山のように積んで、 在庫量を誇らしげにしている書店があるけど、 それはそれで宣伝効果もあっていいのだけど、 ちょっと下品な感じがする。

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