「売れ残り」 というものは、 とかく乱暴に扱いたくなるものである。 せっかく陳列して、 毎日毎日売れるようにと心配りもしたのに、 1冊も売れてくれない。 本に八つ当たりしてもしょうがないけど、 やっぱり乱暴にしてしまう。 こういう気持ちはわかります。でもその本が売れなかったのはあなたの店での話で、 他では売れているかもしれない。 ご存じのように返品された本は出版社に戻って来て、 カバーや帯を取り替えて、 消しゴムでみがいたりグラインダーで削ったりして新品同様になって再出荷されるのです。 他の商品では返品されたものは廃棄されることが多いようだけど、 本は委託販売したりや常備寄託したりして再利用しているのです。 出版社は、1冊の本が出荷されたらもう戻って来ないなんて考えていないのです。 専門書は特にそうです。 出荷して返品されて、 出荷して返品されて、 そうやって本はリサイクルされるのです。 確かに売れ残りに八つ当たりしたり、 こんな売れない本はきっと廃棄される運命だ、 と思うことについて何もいいませんが、 先程も言ったように売れなかったのはあなたのお店での話、 その本は返品され再度、 別の書店へ出荷されるのです。 資源の無駄遣いにならぬよう、 また本のこともすこしは考えて、 返品本につらく当たるようなことはしないでほしいなぁと思うのです。
なぜこんなことを書いているかというと、 我社では、僕も含めて社内で、 本の再生作業をしているのです。 乱暴に扱われた本が返品されてくると、 なんとなく 「トホホ」 っていう気分になってしまうからなのです。 本当は、 リサイクルしなくてもいいに決まっているけど、 そうならないのが現実というものです。