79番目
《棚なし、平台あり》
「 ○○という本ありますか。 」 と聞かれたら、 あなたはまずどこを探しますか。
答えは棚、 と言う人が多いと思う。 ベストセラーなら即座に平台を見にいくけど、 ちょっとわからないなと思うような本は、 きっと棚を見るでしょう。 なぜなら棚はしっかりと分類されているし、 棚には店のすべての本が展示されているはずだからだ。 これが落とし穴なんだよね。 書店での販売の基本は棚 (どんな書店でも、 どんなジャンルでも平台から売れる本より、 棚から売れる本の比率の方が高い) だから、 どんな商品でも棚に入れる。 だから、 平台に積まれているAという商品は、 棚にもあるし平台にもあるということだ。
棚にある商品は基本的に1冊だから、 棚から売れると、 棚にはなく、 平台だけにある商品ということになる。 こんな状態の時、 Aという商品を棚で探しても当然ない。 ここでお客に 「ありません」 と答えてはいけない。 こんな本、 平台にあるはずがないと思ってもだ。 必ず複数の場所を探すこと。 このことは以前書いたと思う。 しかし、 こうしたことを防ぐには、 棚に平台にある商品が入っていれば問題はないわけである。 平台にあるのだから、 棚なんてと思わないこと。 書店の販売の基本は棚で売ることである。 ベストセラーの棚補充は大変だけど、 これを怠ってはいけない。 平台でボコボコ売れている商品は、 棚から欠けないようチェックすべし。
だってその本を買うついでに隣に並んでいる本も買ってもらえるかもしれないのだから。
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