80番目

《出版情報はメシの種》

 出版社では、 書店にこれからどういった本を出版するのかという情報を流している。 これはいろんな形で書店に届いているはずだ。 直接出版社からDMが届いたり、 取次の発行する新刊情報誌などである。
 しかし、 この情報がどれだけの書店員の目に留まっているかというと、 ちょっと寒い気がする。 確かに出版情報とはいえ、 「売ってくれ」 という広告、 宣伝である。 新聞に入っているチラシと大差ない、 と言えばそうである。 だけどこれをめったに見ない、 そんなもんどうでもいい、 だって新刊はチャンと配本されてくるから、 という態度、 これはもう論外である。 自分では、 自分の生活を豊かにしたり、 新製品の情報をキャッチするために、セッセと生活情報誌や雑誌やそれに掲載されている広告なんかはマメにチェックしているくせに、 自分の仕事に関する情報は無視するなんて。 出来る人は、 自分から出版社に電話して出版情報を入手しようとまでしているのに、 わざわざ送ってくれている情報に目も向けないなんて、 どうやって商売しようとしてるのだろう。
 何度でも言うけど、 新刊は黙っていても配本されてくるものじゃない。 確かに配本されくる新刊は山とあるかもしれないけど、 本当にそれはあなたの店で売りたい、 または売れる本なのだろうか。 売りたい新刊はあなたが発見していかなければいけないものだ。

 ファッション雑誌をたくさん読んで、 センスを磨くように、 出版情報をたくさん読んで本を売るセンスを身につけなければ、 ダサイ書店になってしまいますよ。

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