92番目
《取次店を使うキモ》
書店には、 ひとつの取次店だけと取引しているところと複数の取次店と取引しているところがある。 複数の取次店と取引することの最大のメリットは、 それぞれの特徴を最大限利用できることである。 例えば、 ある本がA取次にない場合B取次から入手することも可能になるというような時である。 書店と取次店の関係については経営上のいろいろな側面があるから、 細かいことはここでは避けて、 店頭にいるあなたのために、 その使い方を伝授しようと思う。
で、 その前に、 あなたは、 あなたの店と取引している取次店についてどれだけ知っているでしょうか。 名前しか知らないというのではチョットつらい。 せめてあなたの店を担当している取次店の担当者名くらいは知っておいて欲しい。 それくらい知っている、 というのならよろしい。 ではその取次店はどんな本を在庫しているのか知っているでしょうか。 これはパソコンを使って取次店の在庫商品を調べれば、 すぐにわかるので結構知っているでしょう。 ではでは、 あなたの店は、 その取次店でどのような位置にある書店なのでしょう 。取次店では書店をランク付けしていて優先順位が決まっている。 まぁこれも番線を見れば、だいたいのところは判かるんじゃないかな。 それでは新刊配本、 または雑誌の定期について、 その取次店がどれだけの種類や量を配本しているか知っているでしょうか。 これは店の配本伝票を見れば分かります。 まぁだいたいこれくらいを確認してから、 いよいよ取次店の使い方を伝授したいと思います。
その方法とは。
取次店にとってあなたのお店はお客様です。 読者にあなたの店で本を買ってもらうとき、 あなたは 「お客様は神様です」 と思っているでしょう。 それと同じく、 取次店はあなたの店が取次店から本を買う (仕入れる) 時、 あなたの店を神様だと思っているのです。 そうなのです、 取次店に対しては、 神様や王様のように振る舞ってよいのです。 でもあなたがわがままなお客に対して腹を立てるように、 取次店の名前くらいしか知らないのに、 偉らそうに振る舞うことは、 とんだ勘違いであることもしっかり覚えておくように。
良質なお客に対して、 あなたが一生懸命にサービスするように、 良質な書店には取次店は一生懸命サービスをするのです。 もっともっと取次店のことを知る努力をしましょう。
これが取次店の使い方のキモです。当たり前か。
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