93番目

《その本3冊ください》

 「その本3冊ください」 というお客に対して書店は大変弱い。 そしてつらい。
 なぜなら普通は、 本の在庫は1冊だからだ。 これは 「現品限り」 で書いた。
 「あのーすいません。 それ1冊だけなんです。 あとはお取り寄せになります。 」 というと、 困った顔をして 「すぐに取り寄せられるのか」 と聞く、 「あのー2、 3週間かかりますけど」 と答えると 、「じゃ1冊だけ貰おう」 とその1冊は買ってくれた。 このときの気持ちはくやしい。 店にあと2冊あれば売上は3倍になったのに。

 短期間に複数の本が売れるのは、 ベストセラーや話題の本だけではない。 学校や企業である本を推薦した時や、 研修などで必要とされる本の時や、 ちいさなグループである本が話題になった時などである。 ひとりが3冊欲しいなどと言う時は、 読書会や勉強会など必要とされる期限が限られていることが多く、 こりゃどっかで使っているなと察知し仕入れた時には、 時すでに遅し、 ってなことになるけど、 一日に2、3人の人が同じ本を探していたらこれは仕入れの決断をするべきだ。 何かある。
 こういう場合、 本を聞かれたら、 どうしてその本が必要なのかをお客に尋ねること。 仕入れたけど、 とんだ見当違いなんて失敗をしないためにも、 尋ねるべきだ。 もし予約コーナーでこうした現象を察知したらすぐに現場の担当者に知らせよう。
 まとめ買いやなんらかの理由で複数の人が同じ本を必要としてる場合の販売は、 とてもおいしいもので、 ちょっとした気の使い方で売上増につなげることが出来る。

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