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《データ管理のあり方》

 本というものは何が売れるかわからないし、 どんなものが話題になって売れるかわからない、 つかみ所のない商品である。 夏になったらアイスクリームやビールがよく売れるのは、 だれでも予測できるけど、 本の場合こうはいかないよな、 と思いがちだけど、 結構そうでないものはたくさんある。

 一定の期間に、 どれだけ売れるか予測できるものとしては、 学習参考書の定番や辞書、 旅行シーズン前の旅行ガイドや地図、 ベストセラーの続編、 巻数もののコミックの新刊、 ベストセラー作家の新刊、 各種資格試験の受験図書、 就職関連の情報本、 NHKの講座もの、 夏休みの課題図書など、 まだあるだろう。 こういうものはしっかりデータ管理しておけば、 仕入れ数で頭を悩ませることはないし、 売れる時期が決まっているから、 カレンダーにでも印をつけておけば、 発注日を忘れることもないだろう。 こういう商品は、 人間の感に頼っているより、 きっちり数字で管理してしまうほうが、 気が楽である。 売上げを大きくはずすことはないと思う。 POSを導入されている書店さんでは、 すでにこのへんはしっかり出来ていると思うけど、 POSのない書店さんでも管理ノートを付けるとかして数字として販売管理に利用すべきだ。
 ただデータ管理というのは、 口で言うより結構面倒臭いもので、 ついつい忘れがちになるものだ。 そしてまた逆に、 管理されたデータはついついそれが絶対的な数字に見えるものである。 データを記すことは、 結果を記録することではなく、 これから起きる出来事に対する準備であると思えば、 忘れたり、 数字のオバケにだまされたりしなくてすむ。

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