115番目

《掃除上手は収納上手》

 掃除の目的は、 ものをキチンと片付けるためである。 ものをキチンと管理するためには、 無駄なものを捨てる作業をしなくてはいけない。 捨てるものを決めるためには、 それが必要なのか不要なのかを判断しなくてはならない。 POSというのは実は、 この作業の繰り返しなのである。 データ管理を経験したことのある人は、 もうすでに気付いていると思うが、 データベース上のデータは必要なものより不要なものの方が多い。 最近では大容量のハードディスクと高速のCPUのお陰で、 データを効率良く使うことにあまり気を使わなくて済むが、 ほんのちょっと前までは、 不要なデータを捨てる作業をしないとコンピュータはすぐにパンクしてしまっていた。 そのおかげで不要なデータを溜め込まずに済んだとも言える。
 さてPOSだけど、 膨大な新刊情報を管理するだけでも大変な上に、 売上データの管理をすることになる。 さらに店内在庫の管理が加わり、 発注業務がある。 POSは確かにこれらをたくさんの人間で管理していたものを、 ほんの数人でこなすことが出来て大変便利なのだけど、 それを使いこなす人にかかる負担は大変なものだ。 で、 いろいろとややこしいから、 結局POSを自動発注機としてしか使わないとなると、 こんな大袈裟なシステムは必要がない。

 情報を溜め込んでいくだけのシステムなら、 ないほうがましだし、 溜め込まれた氾濫情報は混乱のもとである。 掃除上手と収納上手のいる店だけが、 POSで生き残れる。

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