118番目

《ネタノートの作り方》

 人間の記憶がとても曖昧で頼りにならないことは、 忘れ物をよくやらかす人ならずとも実感しているはすだ。 また、 やひらめきやアイデアなんてのも、 その時は実に素晴らしいアイデアであると思っていても、 2時間後にはすっかり頭の中から消えていたりする。

 ブックフェアーの場合、 日ごろの積み重ねが勝負になることが多いので、 ネタ帳はしっかりつくっておくようにしよう。 漫才師なんかつけているのと同じ発想だ。 テーマを決め手おけば、 散漫にならずに済むかもしれない。
 山岳小説のブックフェアーをするとして、 山に関する本がどれだけあるか、 コンピュータに 「山」 なんてキーワードで検索をかけたらとんでもないことになる。 だれでも新田次郎の本がはずせないのは分かるだろうけど、 とりあえず100点ほど集めるとなると大変だ。 こういう場合、 ネタ帳をつけておけば案外助かることがある。 95年の秋に発売されて結構話題となった 「ホワイトアウト」 なんて、 もう頭の中から消えてるかもしれないけど、 こんなのをメモ書きしておけば役に立つ。
 でも、 ひとりでやる作業には限界があるから、 たまに出版されるブックガイドみたいなものは必ず購入しておこう。 こういうのはネタの宝庫である。 それから本の最後についている参考文献なんていう欄もこまめにチェックしておこう。 そうして得た情報は自分なりに分類して、 ネタ帳に記入しておこう。 書き留めるのは、 書名、 と版元名だけでも十分だ。 目録をつくるわけじゃないから、 後から仕入れられる情報があればそれでいいのだ。 大学ノート1冊分の情報が溜まったら、 あなたはブックフェアーのプロである。 それから、 ひとつの本はひとつのテーマでしか使えないのではなく、 いろんなジャンルやテーマにかかわっているから、 本をテーマ別に並びかえる作業も忘れずにね。

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