アトリエtrefoil

佐々木恵子


設計作品写真大


すだれごしに、気持ちのいい風がさっとゆきすぎ、ふとわれにかえる
夏の午後、勉強机にむかってあてのない時間をもてあそんでいた
いつのまにか、身体の一部になってしまった家の中の気にいりの場所
空間と時間をひとりじめにして、家族もしらなかったあのとき

 

こうした住まいの空間の記憶は、誰にでもあるのではないでしょうか。生まれ、育って、旅立った家のおもいでが不幸だったとしても、時間がたてば懐かしくおもえてしまうこともあります。
住む人がさきざき、旅先で、あるいは、こどもが成長して、どこかで、思い出せる家、身体の記憶になる空間を創りたい・・・住宅の設計をはじめたころからかわらないテーマです。
無限にあると思っていた地球上の資源が有限で、このままの暮らしをつづければ、あと10年しかもたないともいわれる現在、循環型社会をめざして、長持ちする家をつくる・・・・・・
2番目のテーマです。徳島県には、何百年も住まわれている家があるそうです。
生活の変化をうけとめ、住む人に生きられる家をつくりたい。(佐々木恵子)