天国の特別な子ども地球からはるか遠くで “また次の赤ちゃん誕生の時間ですよ” 天においでになる神様に向かって 天使たちは言いました。 “この子は特別の赤ちゃんで たくさんの愛情が必要でしょう。 この子の成長は とてもゆっくりに見えるかもしれません。 もしかして 一人前になれないかもしれません。 だから この子は下界で会う人々に とくに気をつけてもらわなければならないのです。 もしかして この子の思うことは なかなか分かってもらえないかもしれません。 何をやっても うまくいかないかもしれません。 ですから私たちは この子がどこに生まれるか 注意深く選ばなければならないのです。 この子の生涯が しあわせなものとなるように どうぞ神様 この子のためにすばらしい両親をさがしてあげてください。 神様のために特別な任務をひきうけてくれるような両親を。 その二人は すぐには気がつかないかもしれません。 彼ら二人が自分たちに求められている特別な役割を。 けれども 天から授けられたこの子によって ますます強い信仰を より豊かな愛をいだくようになることでしょう。 やがて二人は 自分たちに与えられた特別の 神の思し召しをさとるようになるでしょう。 神からおくられたこの子を育てることによって。 柔和でおだやかな二人の尊い授かりものこそ 天から授かった特別な子どもなのです” |
Heaven’s Very Special Child“It’s time again for another birth”, Said the Angels to the Lord above, “This Special Child will need much love His progress may seem very slow, Accomplishment he may not show; And he’ll require extra care From the folks he meets down there. He may not run or laugh or play, His thoughts may seem quite far away. In many ways he won’t adapt, And he’ll be known as handicapped. So let’s be careful where he’s sent; We want his life to be content, Please, Lord, find the Parents who Will do a special job for You. They will not realize right away The leading role they’re asked to play. But with this child sent from above Comes stronger faith and richer love. And soon they’ll know the privilege given In caring for the gift from Heaven. Their precious charge, so meek and mild Is Heaven’s Very Special Child”. Edna Massimilla |
待ちに待ったあなたの赤ちゃんに、お医者様は「染色体異常です。発達が遅れます。」と告げる。「染色体異常って? 発達が遅れるってどういうこと?」
一瞬のうちに将来のこと、兄弟のこと、これからの自分の人生のことについて、今まで考えたこともないような不安や疑問が頭の中をはしりぬけたと思います。そして、あとにくる絶望感や深い悲しみ。
でも、おかあさん、あなたは決してひとりじゃないことを知ってほしいと思います。あなたを支えて下さる素晴らしい先生方やたくさんの仲間がいることを知ってほしいと思います。
このパンフレットは、現在ダウン症児を育てている親たちの手によって、少しでもあなたのお力になれるように作られたものです。
赤ちゃんは、あなたの手を、愛を求めています。
まず、赤ちゃんを思いっきり抱いてみて下さい。
そして、少しずつ染色体異常について、療育について、考えていきましょう。
奥野 昭美
恵里衣(エリイ)。我が家の愛すべきおてんば台風娘です。ダウン症の彼女が私たち家族の一員となって2年半あまり。ポッチャリした愛くるしい体型。愛嬌たっぷりの笑顔。かわいいしぐさ。トレードマークのちょんまげヘアー。今では欠かすことのできない私たちのアイドルです。でも2年半前、このアイドル娘誕生直後はまさに大パニックでした。生後まもなく恵里衣がダウン症だと知った時には、これから先に、今のような明るい家庭、家族の笑顔があろうとは想像だにせず、奈落の底へ突き落とされた思いで絶望感に打ちのめされ、ただただ、「なぜ」「どうして」「うそだ」を心の中で繰り返すばかりでした。生後2ケ月になって、染色体検査の結果が出た時、病院からの帰り道、主人と私が交わした最初の言葉は「がんばろうな」でした。それは決して力強い自信に満ちた言葉ではなく、むしろ何を一体どうすればいいのか皆目見当もつかず、「発達が遅れる」というものの、何がどれくらい遅れるのか想像もできず、ややもすれば不安に押しつぶされそうになる自分たち自身を支えるための精一杯の弱々しい言葉でした。でも、あれから2年半あまり、私たち家族が今のように明るく、幸せでいられるのは、やはりあの時の「がんばろうな」が源となっていると思います。
佐々木 綾
わたしのおとうとの元治は、はじめゆびが6本ありました。それにきがついたのは、ぐうぜん、ゆびをかぞえていた時です。小さな手だったので、本当にゆびが5本あるのかなーと思ってかぞえてみると、右手のゆびが6本あったので、わたしはびっくりしました。そのゆびに、おばあさんゆびと名前をつけました。もとが1歳になった時、入院しておばあさん指をとりました。その時、おかあさんがいなかったので、わたしはとてもさみしかった。つくしの会のクリスマス会に行ったあと、おかあさんからもとがダウンしょうと教えてもらった時、やっぱりふつうのほうがよかったのにと思いました。でも2歳になってあるくようになったし、いっしょにボールなげをしたり、そとではしりっこをしたりするようになって、あまりダウンしょうと思わなくなりました。わたしが勉強をしていると、じゃまをするので、わたしはすぐおこります。するともとは、めめのかお(泣きそうな)をします。このごろあまえんぼうになって、すぐ、なきます。おふろにはいっていると、すぐ、もとがひっかくので、小げんかになります。でも、おばあちゃんがあらっているあいだもとをだいていると、もとが、くちゅっとだきついてくるので、もんくなしに、ものすごくかわいいです。もとが大きくなったら、勉強をすこしずつおしえてあげようと思います。佐々木和子
この文章は、娘の綾が小学校2年生、弟元治が2歳の時に、綾が書いたものです。8歳の綾が弟について、また、障害についてどう思っているかを書き残しておきたく思い、書かせてみたものです。綾が元治の多指症にはじめて気づいた時の驚きよう、目にいっぱい涙をためた顔は、今でも私の胸の痛みとしてはっきりと残っています。あれから2年、元治が生まれて4年が過ぎました。
高平 恵子
10年ひと昔と言いますが、本当に時の流れを感じます。
福田 陽二(父)
智子もこの4月で4年生になりました。1年生から普通学級に入れてもらい3年生までお世話になった千賀先生から達富先生に替わり、どうかなと思っていましたが「タ・ツ・ト・ミ・セ・ン・セ」と言いながら元気に帰って来ます。色々世話をやいてくれたり、遊んだりする友達も結構いる様で、普通学級に入って良かったかなと思っています。
島崎 明子
我が家の次女、みゆきの通う朱一保育所は明日が運動会。一昨日の練習では四段の跳び箱の上から魔女のマントを翻して飛びおりて、拍手喝采でした。3才児クラスの周りのみんなと何もかも同じように、とはいきませんが、それでも一番うしろから、しっかりついてゆきます。
近藤 雅子
私が子どもの障害を受け入れる時に欲しかった希望のもてる答え、知って救われた事、勇気づけられた言葉、それを今必要としている人に伝えたいのです。1997年8月